desteny??

meeco  2010-03-03投稿
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「淳さん、苦しそう・・・。」

七星は、涙を流しながらそう言った。

従業員も、七星も、ベットの前で、神妙な面持ちで、淳を見守って居た―\r

「あっちゃん・・・。」

私の名前を呼んでいた―\r

ゴメンと謝っていた―\r

七星は、私にそう言った。謝る事って、何だろう―\r

私は、必死に考えていた。

花火の事だろうか―\r

今日、二人で見に行く筈だった、花火大会―\r

今まで、頭から抜け落ちて居た、淳との約束。その事だろうか・・・。

「淳さんっ!!!」

その時、七星が叫んだ―\r

「か、香里・・・?ゴ、ゴメン、ゴメンな・・・、俺・・・。」

「大丈夫?淳さん!!」

七星は、淳の耳元で必死に呼び掛けていた。淳は、目を細いながらも、一生懸命、開けようとしていた。

「香里は・・・?」

次の瞬間、七星は私を睨み付けた―\r

「あっちゃん・・・。私、ここに居るよ?無理して、喋らないで。」

七星からの視線を感じながらも、私は、淳にそう呼び掛けた―\r

「そっかぁ・・・。今日の事ゴメンな、花火・・・。」

茉莉子は、七星や従業員に病室を出る様に、静かに言った。

七星は、納得が行かない様子ながら、渋々、廊下へと出て行った。

病室には、私と淳の二人っ切りになった―\r

「そんな事・・・。気にしてないよ。」

そう言った瞬間、病室の窓を見ると、遠くに、打ち上げ花火が見え、ドンと遅れて、大きな音が聞こえて来た。

「花火・・・、か?聞こえた、音が・・・。」

「見には行けなかったけど、ここから見えるよ?13階だから、人混みから見るより、よく見える・・・。特等席だよ、ここ・・・。」

私は、淳に笑みを投げ掛けた。

「そうか・・・。約束守れなくて悪い・・・。香里?俺の鞄、有るか・・・?」

私は、ベットの周りに淳の鞄が無いか、探した。

「えっっと、これ、だった?有ったよ。」

「中、見てくれ・・・。包装された、箱が有るだろ・・・?」

乱雑に荷物が詰め込まれた中に、小さい包み紙にリボンが付いた、箱らしき物が見えた。

「これ・・・、かな?」

手に持ち、淳の目の前に出した。

「うん・・・。それ。開けてみて。包み紙・・・。」

私は、包装紙を丁寧に開いた―\r

「サイズ、合うか?」

中からは、ジュエリーボックスが出て来た。そっと開くと、デザインリングの真ん中に、大粒のダイヤモンドが付いた、リングが刺さっていた―\r

「これ・・・。私に・・・?」

「今日、花火を見ながら渡そうと思ってた・・・。婚約指輪って・・・、やつ?」

荒い息で、必死に淳は少し照れた表情を浮かべ、私にそう言った―\r






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