ずっと1人で生きてきた。
1人なんて怖くない。
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あたしの家族は、母・兄・そしてあたしの3人だ。
…といってもあたしが小さい時、
(あーあ、子供なんて嫌だわあ―産まなきゃ良かったー)
と、母親がそう呟いていたその言葉で、
「この人がおかあさんなんだ」、と初めて気付いたという位の家庭だ。
母は昔ヤンキーだったらしく、15歳で兄を産んだ。
最初は中絶するつもりだったらしい。しかし気付いた時は、
もう9ヶ月になっていて、仕方なく産んだというのが真実だという。
あたしと兄は、自分の父親が誰だか知らない。
知っているのは、自分達が父親違いだということと、
もうひとつ。
この最低な女が実の母親だということ。
…現在までずっと兄は、夜遊びを繰り返している。
これまで何回も警察に突き出されていた。
けれど、何回も何回でも
兄は夜遊びを繰り返す。
親から求められなかった愛情、
それを夜に求めているのだ。
そして、シンナーに求めているのだ。
…幾度となく聞こえる女の喘ぎ声は、
兄のセックスフレンドだろう。
兄と二人でシンナーを吸いながら、
狂ったまま性行為を繰り返しているはず。
あたしは、愛情なんて知らない。
愛情なんかいらない。
求めても、求めても奪われる。
あたしは、もう何も求めてはいない
それが本音。