「おーい。」
呼ぶとシゲルは振り返った。同じクラスの男子。それだけの関係なのに、アユミはつい呼んでしまった。
あれ、以外とそんなに背の高さかわらないな。
アユミはシゲルに近寄ってみて思った。
「あーえーと、同じクラスの、えーと」
シゲルはアユミの名前を思い出そうとしていたが、アユミは正直、絶対わかるはずないだろうと思った。
「アユミだよー、シゲルだよね名前?今日の陸上で他の男子追い越して、めっちゃ速かったよね」
「まあオレは走りだけは自信あるからな。というか、見てたのか」
そう言われてアユミは一瞬焦ったが、すぐ言い返した。
「あれだけ速かったら誰でも注目するよ」