「そうだ。走れ!」
逃げるアユミにシゲルもついていく。
そしてその二人を追い掛ける戦闘艇が…よく見ると手前の戦闘艇の後ろにもう一機、その後ろにもう一機の姿が見える。
「だめでしょ…こんなの…」
アユミは振り返る余裕もなく走ったが、聞いたこともない戦闘艇の風を切る音と、銃弾を連射する音がより一層不安を強くさせた。
「ったくしつこいな」
シゲルは後ろ向きに走りながら銃口を戦闘艇の胴体部に向けた。
先ほどの銃と形状が違っている。
必死すぎるアユミの頭ではその事実は追い付かなかった。