「人形の事なんて、しばらく忘れる事」
「…」
「そうそう、姉さん」
グロリアは1通の手紙をマルセルに渡した。
それはブルーレッドからの手紙である。
ジッと手紙を見入るマルセル。
安堵の表情でため息付いた。
「どうやら私、やっと疑いが晴れたようね」
「疑いが晴れた?」
「読んでみる?」
マルセルは手紙をグロリアに見せた。
同じようにジッと手紙を見入るグロリア。
手紙には子供人形虐殺の事が書かれていた。
魔界公安部の調査で、真犯人が見つかったのだ。
犯人はエルファ…エルミナスだった。
ソフィアに激しい妬みを抱いていたエルミナスは城に出入りする魔術練士を売春し、変身魔術でマルセルになった。
そして、ソフィアが子供人形たちと暮らす人形の城に侵入。
子供人形たち30体全員を目茶苦茶、虐待して殺してしまったらしい。
エルミナスは王女の座から外され、闇の刑務城に投獄されたと言う。