そのエルファは…
闇の刑務城の地下牢は暗く静かな雰囲気に包まれていた。
煉瓦造りの壁に埋め込まれた棺に固定されている素っ裸のエルファ。
顔を動かせないばかりか、口は完全に塞がれてしまっている。
目から涙が溢れていた。
そこへ、火の灯るキャンドルを手にした1体の美しい女性人形がやって来た。
ドレス風の衣装を着た身なりのイイ彼女。
あのソフィアである。
懐にはルラの姿が…
自ら両手で哺乳瓶を持ちながら、美味しそうにミルクを飲んでいる。
足を止め、ジッとエルファ…エルミナスを見つめるソフィア。
「ご機嫌いかが、エルミナス?」
「…」
エルミナスは声さえも出せず、ジッとソフィアを見つめだけ。
「アナタがどうして…
こんな状態になってるか、分かるわよネェ?」
「…」
「これからもずっと、アナタはここで生きて行くのよ」
「…」
「安心なさい。このコはキチンと、私が面倒見てあげるわ」
「…」
「さようなら…エルミナス」
ソフィアはエルミナスに手を振った。
ルラもエルミナスに手を振る。
エルミナスはただただ、涙を流すだけである。
そしてルラは…
地下牢を出ようとするソフィア。
ルラはミルクを飲み終えてニコニコしていた。
するとソフィアはルラを掴んだ。
「ミャブ?」
手足をバタバタさせるルラに向かってソフィアは冷たい眼差しで言った。
「恨むなら、エルファ・ママを恨みなさい」
ルラの衣装を剥ぎ取って素っ裸にしたソフィア…
両手でルラの胴体や両腕を掴む。
「ウギィアーッ!!!!」
叫び声を上げるルラ!
バキバキバキバキ!
何かが引きちぎれる鈍い音!
ソフィアはルラを傍に投げつけて、地下牢を出た。
番人が出入口の扉を閉めて鍵を掛ける。
ルラは1人、白目剥き出しで苦痛な声を発しながらのたうち回る。
両腕を引きちぎられてしまったのだ。
ウギィアッ!! ウギィアッ!! ビャアブッ!!
ルラの苦痛な泣き声が地下牢内に響く。
完