生涯の恋

KARINA  2006-08-20投稿
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高校三年の冬

彼の親友が事故で亡くなった

彼はたくさんの涙を流して泣いていた

彼は私の初めて愛した人

それからいつも彼は明るく振る舞っていたけど
いつも亡くなった親友の写真を持ち歩いていることは知っていた

そばにいてあげることしかできなかったけど
本当は抱きしめたかった

本当は親友の彼に嫉妬した



学校の帰り道

冬の夜は冷たくて
白い息が何だか寂しい

「俺、今すごく幸せだよ」

「うん」

写真を取り出して
泣きそうな横顔を見せた

しばらく写真を見つめていた



「……なぁ。ごめん健太。お前より大切な人、見つけたよ。」


思わず涙が溢れた

―大丈夫
私があなたを守る―\r



あれから六年

彼との交際は二年続き
些細な喧嘩で別々の道を歩むこととなった

今でも彼のあの言葉が忘れられない

二人の道が交わることなど
二度とないけれど

今もあなたを想う

そして彼の親友の命日になると
空を見上げて目を閉じる

「ごめんね、あなたの大切な友達を傷つけてしまった」



彼を愛したことが
私の人生で一番大きなことだった

生涯
忘れることのできない恋人

同じ空の下で生きている限り
これからも
あなたを愛し続けるのだろう

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