「さて、本題に入りますがネオさん。我々の話し合いの中では、やはりあなた方の行動を阻止するという流れに変わりはありません。ただ、私個人的には、頭ごなしに押さえ付けるという方法は取りたくないという考えも持ち合わせています。ここはひとつお互い歩み寄れる範囲で妥協案を模索する事にしませんか」
「総理のお考えは嬉しいですが、これは我々にとって闘いです。妥協するというのは弱みを見せる事にもなります。日本政府を敵に回しても、あくまで我々はこの計画を成功させるつもりでいます」
「あなた方の敵は中国でしょ?我々日本も少なからず中国にはそういう意識を持っている。共通の敵を持つ者同士は味方同士という風に考えませんか。我々はあなた方を敵にしたくない。それに、いざ事が起きたら間違いなく血が流れる。無血の革命というのは余程の事が無い限り不可能です。ネオさん、我々は決してそれを望みません」
「有り難いお言葉の様にも聞こえるけど、ハッキリ言って余計なお世話ね。血を流す覚悟が無ければ最初からこんな大それた事考えないわ。それに、西郷隆盛がお好きな総理ならよくご存知でしょうが、戊辰戦争で江戸城が無血開城された様な稀な例だって歴史上あるでしょ。血が流れない革命だって起こり得るはずだわ」
話は続いたが、NEOの頑なな意志により相変わらず歩み寄りを見出だせずにいた。