トキは森を出てウルフの笛を吹いた。この笛はウルフにしか聞こえない音がなる笛だ。
「これで皆広場に戻って来る。俺達もさっさと行くぞ」
ライトとミューは黙ってトキの後について行った。
「なっ!!おいっ!!みんなっ!!」
広場に戻るとウルフ達全員が血だらけで倒れていた。
「トキこっちに来て!!」
ミューが叫ぶとライトとトキはミューの側に駆け寄った。ミューの前にはドルトンが倒れていた。
「じっちゃんっ!!」
トキは我を忘れてドルトンの肩を揺すった。
「トキっ!!落ち着け!!まだ息がある」
「ドルトンさん??」
「・・・うっ・・トキ・・」
ドルトンは苦しそうに口を開いた。
「じっちゃんっ!!誰がこんな事をっ!!??」
「・・いき・なり・・男が・・」
「男っ!!??」
「・・気を・・つけろ・・・まだ近くに・・いる・・」
「まだ生きてたのかよ」
「!!!!」
「誰だっ!!??」
いきなりドルトンの体が切り裂かれた。
「ぐはっ!!」
「じっちゃんっ!!」
「・・気を・・つけろ・・奴らは強い・・」
ドルトンは少しづつ目を閉じた。
「じっちゃん??」
「トキ・・」
ライトはトキの肩を掴み首を横に振った。
「・・・・・・」
「やっと死んだんかぁ??」
いきなり後ろから声がしてライトとミューは振り返った。そこにはあの時入り口に剣を突き立ててた金髪の男がいた。トキは振り返り金髪の男を睨んだ。
「許さねえ・・お前だけは絶対に許さねえっ!!!!」
「お前は黙ってろって。わいが用あんのはそこのガキや」
金髪の男はライトを指差した。
「!!・・俺??お前その為に皆を巻き込みやがったのかっ!!」
「えぇから聞かんかい。わいの名前はカイリ。種族はエルフや。この耳見たら分かるやろ??」
カイリの耳はトガっている。エルフの特徴は少なく耳ぐらいだ。
「とりあえず、わいはそこのガキに伝言を言いに来たんや。」
「伝言!!??」
「シキ・・って子知ってるやろ??」
「なっ!!お前がシキをっ!!」
「わいや無い。わいらの仲間のシークって男や。シークはお前に用があったんやけど、シキを見て気に入りよった。そやさかいに、シキの同意の元でわいらの住み家に連れ帰ってきよったんや」
「シキの・・同意の元!!??」
「・・・そうや」