Invisible Answerer -ep16-

へたれもち  2010-03-06投稿
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…私は昔から父よく
言われた。

『自分の意志を常に強く
持ちなさい。』と…

…母からはこんなことを
言われた。

『自分が支えられる人、
自分を支えられる人を
探しなさい。』と…

だから、私は自分の意志
を強く保とうとしながら
信頼できる人を探した。

でも、自分を強くすると
信頼できる人が居ない…
信頼できる人を居ると
自分が弱くなる。

やがて意味が解らなく
なっていった。

だから、私は一人でも
大丈夫なように自分が
強くなろうとした…。

そして…誰も信頼も信用
もできなくなってきた…
特に異性は。

でも…今は不思議に感じ
ている…強いけど弱い…
そんな人が目前に居る。

機械のように冷徹で冷酷
なのに、傷つきやすく
優し過ぎる。

判断を躊躇わないのに、
終わった後に苦しむ。

本当は凄くナイーブで…
でも感情を押し潰す事で
しか生きられない。

あの話が真実とは
思えないけど、何か理由
はあるはず。

「…出身はどこなの?」

もしかしたら、零が
どんな幼少時代を
過ごしたか解ると
思ったから…聞いた。

「…解らないな、物心
ついた時には、どこかの
施設にずっといた。」

施設?もしかして孤児
だったとか…でも、
孤児院と解るはず…。

「窓のない白い壁に
眩しい位の電灯、さらに
身体中に繋がれたコード
と…白衣の大人達…」

…孤児院ではない…
だとしたら何?まるで、
病人のような扱い…。

「血液・脳波・身体能力
・五感…それら全て計測
されていた。」

まるでモルモットの
ような…まさか、何かの
実験の…人体実験の…

「そして、施設から別の
場所に移されて、老師に
戦う術を教わった。」

…解らない、現実味が
無さ過ぎて信じていい
のか…。

「信じるかどうかは
龍堂さんに任せます。」

それを聞いた私は…零を
…信じなかった。
そんな事があって良い
はずがない…。

信じない、その話は嘘、
まだ何かあるはず、
信じたくない。

私は…自分に言い聞かせ
続けた…、本当なら
ショックが大きすぎる
から…。



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