気付くと横に寝ていたはずの高峰智が立っていた。
――後悔?
「後悔なんかしてない」
あたしは高峰智に向けていた目を再び空に移した。
後悔なんかするわけない。
そんな事、考えた方が負けなんだ。
あたしはずっとそう考えて生きてきた。
「そ。…なんか…悲しい顔してるから」
彼はエスパーか?
あたしはずっと背を向けていたのにそんな事分かっちゃうんだ。
後悔してるわけじゃなくて、ただ…、
「ただ、ちょっと寂しいかな」
見栄を張ることもなくあたしは素直に感じた事を言った。
「うん」
彼は頷いて聞こうとする姿勢を見せた。
あたしはそれに甘える事にしたんだ。
「和樹はあたしの初めての"トモダチ"なんだ…」