碧 54

 2010-03-07投稿
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気付くと横に寝ていたはずの高峰智が立っていた。



――後悔?

「後悔なんかしてない」


あたしは高峰智に向けていた目を再び空に移した。


後悔なんかするわけない。

そんな事、考えた方が負けなんだ。

あたしはずっとそう考えて生きてきた。



「そ。…なんか…悲しい顔してるから」


彼はエスパーか?

あたしはずっと背を向けていたのにそんな事分かっちゃうんだ。




後悔してるわけじゃなくて、ただ…、


「ただ、ちょっと寂しいかな」

見栄を張ることもなくあたしは素直に感じた事を言った。


「うん」

彼は頷いて聞こうとする姿勢を見せた。

あたしはそれに甘える事にしたんだ。


「和樹はあたしの初めての"トモダチ"なんだ…」

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