そんな時、お父さんはお母さんを連れて遠くへ行ってしまった。
お母さんの記憶を取り戻す治療をするために、大きな病院がある北海道に行ってしまったんだ。
そこは自然が良いんだって。
少しでもそういう所にいた方が良いだろうって…。
あたしはひとりぼっちになった気分だった。
おばあちゃんもいるし、友達もいるのに、親がいないって凄く寂しかった…。
そして、長かった小学校が卒業を迎えて、あたしは中学生になった。
その頃には全てが面倒くさくなっていて、友達を作る事すらしようとは思わなかった。
何人か友達になりたいと言ってくれた子はいたけど、あたしの態度に誰もが簡単に去っていった。
そして、大好きだったおばあちゃんが死んだ――。