「おい、ネオ、聞いてるのか」
「あ、ええ、ごめんなさい」
「どうしちまったんだよ、さっきから話上の空だぜ」
「うん…計画の事考えてたのよ」
「ホントかよ…その計画の件も延期した方がいいかも、なんて言い出すし」
「だってそうでしょ。日本政府との折り合いが付かない状況の中で実行した所で失敗するのは目に見えてるわ」
「おい、まさかあの権藤って野郎に上手い事唆されたんじゃないだろうな」
「馬鹿な事言わないでよ。彼は私達の立場も理解して真剣になって考えてくれてるわ」
「…今週末も又東京に行くみたいだな」
「え、ええ…何とか折り合いを付けて来れればいいと思ってるわ」
「本当は権藤に会うのが目的なんじゃないのか?さっきなんかも恋する乙女みたいな顔でボーッとしてたぜ」
「冗談はよして!」
NEOは苛立つ様に席を立ち、部屋を出た。
佐々木は携帯を取り出し一人の男を呼び付けた。
「オヨビデショウカ、サブ・リーダー」
「あぁ、カルロス。極秘任務を命じる。今週末リーダーが東京に行くが、後を追ってネオの行動を密かに探ってきて欲しい」
「リョウカイシマシタ」
(続く)