真昼の花火の気分、とその時思った。
華やいだ休日の街に、僕は居心地の悪さを感じた。
当てもなくフラフラ歩く僕をまわりの人々は本当に見えているのだろうか。自己中心的で悲劇的でナルシストな思考に僕はフフフと小さく笑った。
「何かお探しですか」
自分に自信があります、という明るい笑顔で良い男が微笑んでいる。
ええ、まあ、と僕は何らかの秩序で並ばされているであろうシャツやジャケット、パンツ、カットソーを順々に壁伝いに見て歩いた。
素材、デザイン、最後に価格。服選びは男を選んでるみたいだ。素材とデザインを見れば価格は大体分かるから、別に知らなくてもいい。
服を着たり脱いだりして、僕は寝たり起きたりする。
結局僕は二度試着し、派手な色のパーカーにシックな色のパンツをブーツインした、昨夜を引きずった姿で、シルバーのスカルとチェーンで装飾されたスリムなネクタイとシャドウストライプの黒のドレスシャツを購入した。
買い物を終えるといよいよ日は高く、グッタリとした体を片腕で一度抱いて、僕は地下鉄への階段を降りていった。