『そうか‥イジメか‥‥。
そう言えば昼間、
公園の前を通った時に、一緒にいたのは、友達だろう?!』
“イジメ”と聞き、再び驚いた。
昼間の公園で、俺の存在を無視して通り過ぎたユウは、
確かに、同級生と思われる男の子と一緒にいたし、
楽しそうに話していた、その姿からは、まさかイジメにあっている事など、
とても想像出来なかったからだ。
『“友達”?!
あぁ‥‥うわべだけの付き合いで、俺もアイツの事、あまりよく知らないけどね。』
『ユウ。タクシーが来たから、ひとまず乗ろう。
お前、腹が減ってないか?!
ラーメン食って帰ろう‥な?!』
コクンとうなずく我が息子の横顔を見た時、
イジメによる精神的苦痛が、
彼にとって、非常に大きなものである事が分かった。
とりあえず、2人でタクシーに乗り込むと、
俺は運転手に、一言ラーメン屋の名前を告げた。