礼を言う前にあの救世主はさっさと行ってしまった。
かっこいい人やったなあ。あの人、どこに住んでるんやろ?高校生くらいかな?また会われへんかな?
そんなまま、俺は中学生になった。
「はーちゃんと同じクラスで良かったあ!」
「うん!」
新しい学校、新しいクラス。
友達いっぱい作らないと。
希望いっぱいの俺の隣に、少し遅れてやってきた男子生徒が座った。
どんな人やろ。話しかけようと、振り返るとそこにいたのは
「きゅっ、救世主!?」
「…?」
「なあにー?タケ〜?」
隣の席にいたのは、そう、あの救世主やった
まさか同級生やったなんて!
「…どっかで会ったっけ?」
救世主は俺を変な奴とでも言いたげな目で見た
「ほらっ、こないだ絡まれとった…」
「……ああ、思い出した」
しばらく考えてからやっと気付いてくれたらしい
「あの時はありがとう!ほんま助かった!」
「別に邪魔やっただけやから…」
そっけない返事やったけど、全く笑ってもくれへんけど、なんか冷たい奴とは思えなかった。恐くもなかった。
「俺、猛!!タケでいいで!」
「俺は慶太郎。よろしく」
これが慶太郎と俺の出会いやった