俺はなんか嬉しかった。慶太は俺にとってヒーローに見えた。あいつは全く俺に興味を示さんかったけど。でも、ある日
「君ら背高いな!バスケやらん?」
上級生が勧誘してきた。すると、慶太は
「じゃあ、そうします」
と迷わず入部を決めた
え、慶太入るん?!
どうしよう…俺もって言ったら真似したとかって思われるかな…
勝手に一人で悩む俺に慶太が聞いた
「タケは?入らんの?」
“タケ”!?
初めて今、タケって…しかも俺を誘ってる?!
「は、はいる!!!」
そこから俺らはどんどん仲良くなった。…と思う。
慶太は相変わらずやったけど、俺はそんな態度、気にならんかった。
慶太は人にペコペコ頭下げて従ったり、弱虫じゃないし、人に流されたりなんかせえへん。いつでも自分のペースで何にも屈せへん強い奴。
でも、だからかもしれへん。よく勘違いもされる。
「お前、1年のくせに調子のってるらしいな」
「何様のつもりやねん!?」
あいつと一緒にいるとよくそんな言葉を聞いた。
何でやねん!慶太は何もしてへんのに。
皆、何も知らんくせに。
慶太はお前らみたいに、感じ悪いからってケンカ売るような奴じゃないんや