気になる。
まだ私たちは入学したてだけど、あの人は普通に打ち解けているし、変わった感じなんてしない
けれど、他の男子とはなにか違う気がする。
なんだろう、あたし霊感でもあるのかな。
アユミは友人たちと別れた。
最初は自分一人だけ帰り道が反対方向であることにショックだったが、
仕方ないと割り切ることにした。
しかし、ここは田舎町。家同士の間隔は何メートルも離れているし
そのうえ実際距離も長いため、続く緑の風景には少し気疲れがする。
川原の橋にさしかかったところだった。
静かな風の音がする中、見覚えのある背中を見た。
あ、あの人。