イーディと遊ぶのは、とても楽しかった。
追いかけっこもかくれんぼも、孤児院でいじめられていた僕には、新鮮で楽しいものだった。
楽しい時間は早く過ぎ、陽はすっかり沈みかけていた。
「もう…仕事に取り掛からなきゃ…」
追いかけっこの最中に、僕はそう言った。
サーカスの子供達の動きが止まり、空気が気まずくなるのを僕は感じた。
「ああ、もうそんな時間か…じゃあ仕方ないか」
イーディが残念そうに肩を落としていたが、すぐに笑顔になって言った。
「また遊んでくれるかい?」
「もちろんだよ!本当に楽しかった!一日がこんなに早く終わるなんて知らなかったよ!」
「…」
「イーディ?どうしたの?」
イーディは、僕の呼び掛けではっとなり、慌てはじめた。
「あ…いや、何でもないんだ!じゃ、また明日ね!」
イーディの素っ気ない返答が気になったが、僕はすぐに仕事に追われ、そのことをすっかり忘れてしまった。