「リリア、次の会合は一週間後でどうでしょうか?彼の契約が終了する日にでも」
「そうね。そうしましょう」
「よし、決まりだな」
ダリルは一つ小さく頷いて、肩を鳴らした。
「水やりしないとね」
ミーナは大きく伸びをした。
「ミーナ、今帰ってきたばかりでしょう?ちょっとは休んだら?」
「ん?いやぁ、体動かしてないと…ね」
「?」
一瞬垣間見えたミーナの虚ろな目に、ザックは首を傾げた。
「ま、そういう事だから。それじゃ、私はこれで!」
ミーナは一瞬で明るい表情に切り替えると、手を小さく振って急いで小屋から出て行った。
「…まだ、ね…」
リリアは悲しげな顔で呟いた。
「?」
ザックはリリアの様子を見て、もう一度首を傾げた。
「おい、ザック」
ダリルは剣を肩に担いで、ザックをジロリと睨んだ。
「な、何ですか?」
「リリアに何かしたら、斬り殺すからな。それと、敬語はやめろ」
「え?」
「仲間になったんですから、敬語はもういりませんよ」
エナンは苦笑して、ザックの肩を軽く叩いた。
「え…でも、エナンさんは敬語…」
「こいつはいいんだよ。頭脳労働の奴が俺みたいな口調だったら、困るからな」
「…はあ」
「ま、つまりは早くここに慣れろ、って事だ」
ダリルは剣を小屋の剣置き場に戻して、
「じゃあな、リリア。何かあったら、すぐに俺を呼んでくれよ」
と、言い残して小屋から出て行った。
「では私も帰りましょうかね」
エナンは椅子から立ち上がった。