沖田との思い出が
多いが特に印象に
残った思い出を一つ
沖田が私の予想通り
一回生の時に
黒帯除外のトーナメントで八回勝ち上がり
優勝したときは
私はかなり喜び
沖田に言った
「今夜は食べたいもの食べさせてやるよ!」
沖田は少し考えた上で
「スッポンをおごって下さい」
試合会場だった吹田から京都に戻る京阪電車で
沖田と私は車内で
飲み過ぎ早くも
べろんべろんになって
四条河原町に着いた
どこに行けば
スッポンを食べれるか
わからないので
馴染みのお茶屋さんに
聞くことにした
スッポンねぇ
お茶屋の若女将さんは
少し考えて教えてくれた
一見さんは
お断りだから
私から連絡いれとくね
この時に
少し嫌な予感がした
一見さん
お断りかあ…
生意気そうな
店(スッポン料理)やなあ…
なんか
仰々しい店構え
まっいいか…
店の引戸を開けると
店の料理人
店の客が一斉に
長ランに道着を
もった私と沖田に
敵意な視線を向けた
〜五に続く〜