澄と城崎に行った。城崎は、城崎温泉で知られる温泉所でもあり、志賀直哉の小説『城の崎にて』の舞台としても名が知れている。 僕は澄と円山川にそって続く温泉街を歩いた。冷え冷えとした真冬の空には、あちらこちらに温泉の湯気が立っていた。
僕は立ち並ぶ旅館のなかでも澄に似合いそうな小粋で日本風の旅館を見つけ、彼女に教えてあげた。僕たちはそのままそこに入っていった。
手続きを済ませ部屋に入ると、澄は僕に「いい?」と聞き返事をしてあげるとすぐに一枚戸の外にある露天風呂に入っていった。
しばらく待っていると白と藍の美しい浴衣姿で澄がでてくると僕はたまらなくなって彼女をそっと抱いてあげた。
初めびっくりしていた様子だった澄は、すぐにほっぺを紅く染め両腕を僕の背中に回し名前通りその澄んだ瞳で僕を見つめた。