公園に着くと、ポツンと人影が見える。
拓海「ちゃんと来てくれたんだ……」
薫「用件は…なんですか?」
拓海「今から俺が言うこと、信じれる?」
薫「……はい」
拓海「わかった」
そう言うと、ゆっくりと落ち着いた口調で話し始めた。
拓海「薫ちゃん…自分の親が離婚したのは知ってる?」
薫「え…あ…はい」
拓海「不倫…が原因ってことも?」
薫「はい…でも…なんで知ってるんですか?」
─私は驚きを隠せなかった。
家庭のことを知っているのは、父ちゃんとお母さんと慎だけのはず…
なのに、なんでこの人まで知っているの?
拓海「んー…聞けば分かるよ」
薫「…………」
拓海「…お母さんが不倫したのは、15年前。薫ちゃんが5歳のとき」
「相手は山田博紀…」
薫「!!それって……」
拓海「俺の父親」
…私は悟った。
この人は、私の母さんが産んだ子供。
母さんは私が産まれる前から不倫をしていて、その不倫相手との子供を先に産んだ…
血は直接繋がってる訳じゃないけど…
この人は………
私の兄なんだ………。