拓海「…もう分かったんだ?」
薫「でも、兄が居るなんて聞いたことない!」
拓海「当たり前じゃん…不倫相手の子供だよ?……言えるわけないでしょ?」
薫「血は……?」
拓海「直接…とはいかないけど、同じ母親から受け継いだ血は一緒だ」
薫「母さんは?」
拓海「……………」
薫「母さんは何処にいるの!?…ねぇ!!」
拓海「数年前に……………“死んだ”」
───最悪。
一番聞きたくなかった言葉のハズなのに、なぜか少しホッとしてる。
……なのに、自然に涙が頬を伝う。
なんで?この感情はなに?…お母さんは?
拓海「…………」
──ギュッ
薫「なに……?」
拓海「俺、ずっと知らないフリしてた…認めたくなかった」
薫「…うん…」
拓海「薫の話は母親から聞いた。俺が不倫相手の子供だったことも…」
薫「…ヒック…」
拓海「妹の顔も名前も知ってた…母親の携帯で見たよ……知らない男の人と…薫」
薫「もういいよ!!」
拓海「幸せそうだった…薫が10歳の誕生日だった…」
薫「もういいってば!!……無理しないでよ…お兄ちゃん…(泣」
拓海「…薫…」
私は一晩中泣いた。
………涙が枯れるまで