マウンドへ 第一章

RK07  2010-03-19投稿
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(もう少しゆっくり走れよ…)
俺はバスに揺られ学校までうたた寝していた。
俺は私立の中学校に通う事にした1年生、鎌田 健

「次は終点 学園前 …」

「やっべ…」
俺は急いでバックを片手にバスを降りた。
「ここが棚網中…。」
校門の前で止まり、風を感じる
すぐ右手にはグランドが見える。
なにか胸の中からへどが出そうな嫌な気持ちだった。「でかいな…」
俺はそのままグランドへ向かう。
「きちんと整備されてるな…」
するとどこから
「お〜いこらー君、勝手にグランドに入るな〜」
と言う声が聞こえる
振り替えると肩から首に書けてる名札に熊井と書いている男性がいる。
(あ、こいつ野球部の人だな。)
彼の手のひらにはマメの跡があったからだ。
「あ、すいません。ついついマウンドへ来たくなって…」
すると彼は俺に近づき顔をじっと見てる。
「君は…鎌田君かな? 鳥谷小のエースだったんだよね。」
「はい」と呟き俺は彼の目を見る。
「ちょっと投げてよ。俺が取るから。」
え…と躊躇してる俺に彼は「ほらほら」と催促させる。
「よし、んじゃキャッチボールからしますか。」
「いえ、もう肩は作ってます。」
「え…あ…すごいねー、んじゃやろっか。」
彼はホームベースの後ろに座る。
(どうしてこうなった!?)
フェンスの後ろにはたくさんのギャラリーがいる。
「ほらー早くー」
「あ!、はい!」

俺は足元をならす。
心を無にして落ち着かせる 目を開く
左足を後ろに出し振りかぶる。
ザッ…
体が風を切る

バシ…

(取れなかったか…)

「は、早いな…だいたい115キロか?」
「もう少し遅いですよ先生。」
後ろから髭を生やしたごっついおじさんが出てきた。
「あ、篠田先生。おはようございます。」
「どれ、私にも取らせてくださいな。」
「あ、はい。全然いいですよ」

俺は本気で彼に投げた が彼はしっかりと俺の球を掴んだ。

「…君、速さはあるけどいまいち物足りないね…もっと走り込みしなさい。じゃないとうちのエースにはなれないよ。」
俺はその言葉を聞き拳を作っていた。
「先生、俺は野球部に入つもりはありませんから。」
篠田は少し驚いてようだった。
「っふ、そうか。その言葉よく聞いたぞ。さ、熊井先生行きましょ」
は、はいと熊井は言い学校の中へと消えた。

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