オ)オ…オレ?
猫)そうだと言ってるだろう。学習能力のない奴だ。
オ)うるへー。…つーか何?いきなり出てきた二足歩行の猫ちゃんに、貴様貴様って言われた上で頼み事されて「はい、そーですか」なんて言えるとでも…
猫)黙れ。私が貴様に話し掛け、それに返答した時点で、貴様は私の頼みを聞かなくてはならんのだ。
聞いちゃいねぇ。
オ)何で?別に頼みを受けるも断るもオレの自由だ…
猫)黙れ。貴様とはもう契約を交わした。避けることはできない。
オ)は?契約?
猫)そうだ。契約を交わした者は、たとえどんな理由があろうとも、契約者の言ったことは聞かねばならない。だから貴様が了承しようがしまいが私が「砕け散れ」とでも言えば貴様は自分の意思に関係無く、この世から消える。
オ)…は?
へ?何それ?何でそんな大事なこと、勝手に一人で決めちゃってんの?この二足歩行猫ちゃんは!
オ)あー。ちょっと待て。話がまるで見えん。いや、見えんことは無い…んだが…
猫)ならグダグダ言ってないでさっさと私の頼みを聞け、阿呆。
一言一言オレをイラつかせる猫ちゃんだな…
つーか聞けよ!オレの話も!こっちは早くベンチに戻って、物静かで読書好きで優雅な男を演じたいんだよ!バァカ!
猫)一人で考える時間は無い。だからさっさと… オ)わかった!わぁかったから!そう怒んなって。な?
猫)ならさっさと聞け。私の頼みは、「釣りたてのピッチピチの特上マグロを釣ってこい」だ。
オ)…
猫)…
オ)…ん?それだけ?
猫)そうだ。わかったらさっさと釣ってこい。
意外に簡単?な依頼だな。あんなオオゲサなこと言っておいて、「マグロ釣ってこい」って…
つーかこんな依頼に契約とかいらねえじゃん。
…まいいや。とっとと釣って、物静か…以下略を演じるとしよう。