さすがにそこら辺の川や池じゃマグロは釣れないし、漁師でも海の男でも無いオレが釣れると思わない。なので、親父が漁師だという知人に頼み、釣りたてマグロを貰えることになった。
オ)ホントありがとな!マジ助かるわぁ〜
知)それはいいケド…なんで急に?
オ)ああ、それはだな…
言えん…二足歩行の猫ちゃんにマグロ持ってこいって命令されたなんて、死んでも言えん!
オ)オ、オレの親父が急にマグロまるごと食べたいって言い出してさぁ!はは…ホント困るわぁ… 知)へぇー(棒読み)
オ)な、なんだよ?
知)お前って嘘つくときさ、いつも左の眉がピクピク動いてるんだよ。今も動いてた。気付かなかっただろ〜?
オ)な…お前いっつもドコ見て会話してんだよ… 知)眉。
オ)バァカ。
知)んで?ホントの理由は?
オ)は?
知)だ〜か〜ら〜、マグロが欲しい理由!
オ)言えん。
知)なんで?
オ)言えんって言ったら言えん。
知)ふーん。まいいや。
そして漁船が帰って来て、マグロをくれた。
とてつもなく重い…
…持てん。オレの母ちゃんくらい重い…
仕方ないので、図々しくも、トラックに乗せてもらうことにした。
―公園着
オ)おーい。二足歩行猫ちゃ〜ん。
猫)来たか。で?例のブツは?
オ)そんなオッソロシ〜 言い方すんなよ。ほれ、ここに…
猫)さっさとよこせ!
ガッ
なんか知らんが殴られた。手を。…親父にも殴られたこと無いのに…
猫)もぐもぐ…
普通に食うのか。オレに頼めばキ〇ーピーより早く調理してやったのに。
オ)どう?うまい?
猫)おほっ…うまっ…ご、ゴホン。…ふん、まあまあだな。
オ)なんだよ。素直になれよ。折角、汗水垂らして釣ったマグロなのに…
猫)貰ったのであろう。
オ)うん、そう…?へ? 猫)なんだ?貰いものであろう?
オ)ん?ナニ?よく聞こえない。
猫)まあいい。これで契約は終わった。
オ)…は?終わった?
猫)ああ。契約しても、頼み事が無くなればいつでも契約を解除できる。
早く言えよ!さっきまでビクビク怯えてたオレが馬鹿みたいじゃねーか!まあ元から馬鹿だが。
猫)…あ。
オ)あ?