猫)悪いがもう一つ…頼みを聞いてくれぬか?
オ)は?また?
またかよ…こっちは物静か…以下略を演じたいってのに。
オ)まあいいけど?オレ優しいから…
猫)なら言う。「毛を整えろ」
オ)へいへい。
家で猫を飼ってるから、毛を整えるくらいはできる。ナニもできないような物静か…以下略じゃ、キレイな女の子は寄ってこないからな!
オ)これでいいか?
猫)ああ。十分だ。感謝する。
お。珍しい。オレを貴様貴様って言ってる二足歩行猫ちゃんが、オレに感謝するなんてな。
オ)もう頼み事は無いよな?
猫)ああ。もうない。
なんか…この生意気な二足歩行猫ちゃんも、よく見るとカワイイじゃんか。ヒゲがけっこーキュートだ。ドラ〇もんみたいに太ってるケドな。
猫)では、私はこれで… オ)おい。ちょっと待て 猫)…?なんだ?
オ)オレん家住め。
猫)…?なぜ私が貴様のカビだらけで臭くてグッチャグチャの犬小屋みたいな所に住まなければならない?
見たことも無いクセによくそこまで人ん家をけなせるもんだ。
オ)お前よく見るとカワイイから家で飼おうと思って。
猫)かかかカワイくなんかないわ!下衆が!!
オ)いいからいいから。お前はさっきオレの言葉に返答しただろ。そしたら、契約されるんじゃなかったっけ?
猫)なっ…よかろう
オ)よぉし!
オレは公園のベンチで、読みたくもない、厚さ5cm程の糞ムズカシイ小説のような論文のような、ワケのわからない本を、ただ単に物静かで読書好きで優雅であり、そして…
猫)来てやったぞ
オ)おせーな。さっさと準備しろぉい。
猫を連れている、動物好きな男として見られたいがために、読んでいた。
女)カワイイですね。その猫ちゃん。
オ)そうですか?ありがとうございます!
こうして、オレは物静か…以下略な男を演じるのに成功し、「あの公園にカワイイ猫がいる」という噂が立ち、公園にはキレイな女性が多く来るようになった。…まてよ?結局、女の子の目当ては猫じゃねーか!はぁ…計画は失敗…
女)あの…
オ)はい…?
女)その猫ちゃんが、さっき私のペンダントをくわえていって…
オ)…?
猫)私も貴様にチャンスくらいやるさ(ニヤリ)
オ)…(ニヤリ)
『終わり』