幼い頃の晶と水鶴は、家が隣同士で、よく近くの山に遊びに行ったり、互いの家で遊んだりする仲だったが…
自神と皆神が出来上がった時に、丁度二人の家と家の間が境目となって分けられたのだ。
あの頃の水鶴は、よく笑う子供だった。
…分けられてからの水鶴がどうなったのか晶は知らない。
皆神の人々が殺された時に上がる名前が、彼女ともう一人、柊 圭(ヒイラギ ケイ)という17歳の少年だった。
彼は水鶴の忠実な部下で、髪は長く、後ろで1つに束ねている。目はつり目で、黒づくめの格好をしている、と晶は聞いていた。
「じゃ…俺 時間だから、行ってくるな」
「…気をつけなさいよ、晶」
心配そうに夕が言うと、
「ん、わかった」
ニッと笑って、晶は答えた。