alone 5=歳なんて関係ない=

兼古 朝知  2010-03-22投稿
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教祖は申し訳なさそうに言った。

「君は...本当は嫌じゃないのか?」

「何が…ですか?」

教祖の言う意味がいまいち分からず、晶は首をかしげる。

「まだ15歳なのに…こんな戦争に駆り出されて…人を殺し、自分の命さえ危うい環境に放り出されるのは、やはりつらいだろう?」

うつむいて教祖は言う。

「…歳なんて関係無いですよ」

晶が口を開くと、教祖は顔をあげた。

「15歳が人を殺しても...40歳が人を殺しても...一緒なんです。怖いのだって、つらいのだって、皆同じなんです」

晶は困ったように笑い、本当は戦争が無いのが一番でしょうけどね、と付け加えた。

「…そうか、そうだな…すまない…。戦争など、私もしたくはなかった…本当に、すまない」

教祖は頭を下げた。

「きょっ、教祖様が謝らないで下さいよ!!」

晶は慌てて言った。

「俺だって、戦争が仕方ないことだって、わかってるんです!!教祖様一人で抱え込まないで下さい…」

「…そうだね。ありがとう晶君」

教祖がフッと笑ったので、晶も安心したかのように笑った。

「行ってきます、教祖様」

晶は走り去っていった。

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