その時だった。
――バサッ!!
湿らせた木綿の手ぬぐいを振ったような音が聞こえた。
晶は、自身の顔に何か温かい液体がついたのを感じた。
「…は…!?」
先程まで泣いていた兵の首が、斬られていた。
晶の顔についたものは、兵の血だった。
「…ち、使えん粕が」
どこからか、忌々しげな舌打ちが聞こえた。
声のする方を見ると。
「…ミ…ツル?」
「何だ?」
かつて共に笑い、遊んでいたあの少女が、日本刀に似た刀を片手に立っていた。