晶はヒイラギと名乗った少年をまじまじと見る。
切れ長の目に、黒髪、黒い瞳、黒い服。何もかもを黒で統一されている中、口元を隠すように巻いたマフラーは青い。
そして何より目立つのは左手…。義手…いや、手の代わりに刃がついている。鎌状の刃がついているのだ。
(ヒイラギ、ケイ?水鶴の従者か!)
晶は、自身の首の傷口をを押さえる。
「死んでもらう…ぞ」
ボソリと呟くように言い、圭は左腕を振り上げ、真っ直ぐ晶の方へ向かう。
――ガギッ!!
「くッそ…!!」
晶は持っていた刀で応じ、辺りに鋭い音が響く。
「待てよ!!おい、柊!!」
「待つ理由は何処にも…ない」
晶の言葉に一切応じず、圭はニ撃、三撃 加えていく。
「あぁもうッ!!俺は争おうなんて思ってねーんだよ!!」
慣れない鎌状の刀の軌道に戸惑いながら、防ぎながら、晶が言うと…
「本当にか?」
傍観していた水鶴が言った。