その看板を見た時に
あり得ない!
そう思った…
思えば
スケールは違えど
今と全く同じ
莫大な借金状態に
陥っていた15年前…
何も言わずに
八桁の大金を
僕に渡し
忽然と姿を消した
かおりん
鈴木香織…
二人は
うのりん♪
かおりん♪
ありゃりゃん♪
というのが合言葉だった
「クラブありゃりゃん」
間抜けな名前のわりに
立派な看板
ありゃりゃん
…なんて…
香織(かおりん)以外が使うわけない
看板を眺めて
呆然としている僕に
出勤してきたと思われる男子従業員が怪訝そうにしているのが視界に入った
「あのぉ何か?」
従業員らしき男は
話しかけてきた
僕はぶっきらぼうに聞いた
「店のママは香織さん?」
あるはずのない
おとぎ話を確認するように聞いた…
従業員らしき男は
笑顔で答えた
「はい!皆様には
♪かおりん♪と呼ばれてます」
頭が動転した…
あり得ないが
ありゃりゃん
というネーミング
そして♪かおりん♪と名乗る女性は
15年前に僕を助けて
忽然と行方を眩ませた
鈴木香織に間違いない!そう確信した…
〜一部中に続く〜