子どもは家を選べない〜その34〜

真理康子  2010-03-27投稿
閲覧数[737] 良い投票[0] 悪い投票[0]

結衣子は、受賞を機に増えた周囲との兼ね合いは【義務】のようにこなしていった。

学友や親戚縁者も嫌いではない。

それでも、結衣子は、小さな恋人に会いたいとばかり思っていた。

少し時間があれば、あの子は又泣いていないだろうか?

あの小さな手は、今日も作業をしたのだろうか?などと思いを巡らせていた。

話をするでもなく、触れたこともない幼児で、常に頭の中は一杯で、【彼】に聴かせるつもりで音楽を奏で、【彼】に手紙を書くつもりで文章や絵を描いた。

結果、作品に『おもい』が入り、小学生にしては、表現力に優れた子どもとしてもてはやされた。

小さな恋人を心に住まわせることで、結衣子は『自分』をいたわり、なにものにも屈することなく成長していった。

この僅かなふれあいの思い出が生涯、結衣子を支え続けた。











i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 真理康子 」さんの小説

もっと見る

公募投稿作品の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ