「…にーちゃん」
晶が、ぐしゃぐしゃの髪を直しながら問うた。
「んー?」
「自神の人は15歳になったら女も戦わなきゃなの?」
「…そうだなぁ」
「水鶴も…?」
「多分、な」
「……」
晶は俯き、また黙りこくってしまった。
その様子を見た晴一は、直したばかりの晶の髪をまたくしゃくしゃにする。
「ミッチーなら大丈夫だって!簡単には死なねぇよ!!お前の彼女だろ!?」
「かッ、彼女じゃねーし!!てゆーか、いちいち髪 触らなくていいだろー!?」
ムキになって怒る晶を、晴一は穏やかな顔で見ていた。
「なぁ晶?」
「なに?」
「にーちゃんは死ぬと思うか?」
「…さっき自分で死なねーって言っただろ?」
「はは、まーなッ!」
また笑い飛ばして、晴一は晶に言った。
「そんじゃま、にーちゃん頑張ってくるわ!」
「…うん!!」
晶もニッと笑ってみせた。その笑顔は晴一と瓜二つだった。