一人目は
小柄な高校生
北川君は
得意の蹴り技で
初勝利を挙げた
もう一人勝てば黒帯
二人目は
大柄な道場生
応援の皆も興奮してきた
しかし相手が大柄なため
北川君得意の蹴り技が届かず不発が続く…
試合時間があと30秒になり
応援の皆が
諦めかけた
その時…
北川君は
一度も練習で
見せたことのない
意外な攻撃に出た
大柄選手を横に崩し
首を抱え膝蹴りを
撃ち込んだ!
相手は慌てガードする
しかし北川君は
膝蹴りを連打する
入った!
勝利だ!
黒帯だ!
大柄な選手を
横に崩しての
膝蹴り連打で決めるのは
僕の得意技…
きっと
北川君は
僕の試合のビデオを
見てイメージし続けて
いたんだろう…
その日は
皆でミナミに繰り出し
飲み明かした
北川君は
しみじみと僕に言った
先輩(僕)みたいに
四段取ったり
全日本で活躍したりは
できんけど…
先輩のおかけで
黒帯取れて嬉しいです
虐められ続けた
(入部までの)人生に
区切りをつける
自信がつきました!
僕は敬意を込めて
北川君に言った
拳法なんて
社会に出るまでの
遊びや!
いつまでも
この四年間の根性を
忘れるなよ!
北川君は
卒業してから
一度も会ってないが
今は上場企業の課長で
頑張ってるらしい!
いつか会う日があれば
幸せな今の自分を
僕も先輩らしく
みせたいと思ってる
〜最終章に続く〜