二章 近づく 後
皆ドリンクを持ってくると、恋バナが始まった。
「ねぇ楓君はどーゆうタイプが好み?」
もちろん始めたのは桜。
「う〜ん。純粋で明るい子が好きかな?」
ドキッ・・・。一瞬楓がこっちを見た。
「そ、そーだよね?やっぱ明るい子だよね?」
何とかごまかそうとしたのが裏目に出た。
「何言ってんの?急に。」
葵に目を付けられてしまった。
「う〜ん・・・。なんでもない・・・。」
少し顔が赤くなりながらも、座った。
ちょっと焦り過ぎた。もう少し普通に言えばよかったかも。
少し後悔もしながら、楓を覗いた。
楓もこっちを見ていた。
もちろん桜も。
桜はべったり楓にくっ付いていた。
ほんの少し悲しいような・・・悔しいような・・・。
複雑な気持ちが湧き上がる。
「あ!今日は鈴奈のおごりね。」
光が急に言ってきた。
「え・・・ってえぇぇぇぇ!!?私なの??」
ボーとしてたせいか、反応が遅れた。
「そう。じゃあき〜まり♪」
光はそういうと帰ってしまった。
「あ〜らら。光君ったら鈴奈に任せて・・・。」
成海はそうは言ったものの光に続き帰ってしまった。
残ったのは複雑な3人と葵。
「あ!じゃあ俺も帰るな。」
葵はそういうと帰ってしまった。
3人はキツイな・・・。
私はそう判断して言った。
「二人とも帰って良いよ。」
「え・・・?」
楓は悪いって、などといったが桜が連れて行ってしまった。
それで私は一人。
私はもったいないのでしばらくドリンクを飲んでいた。
ガチャッ。ドアからはいってきたのは楓だった。
「か、楓君??」
楓はこっちに向かって走ってきた。
「御免な。あいつなかなか離してくれなくて・・・。」
「うんん。別にへーきダヨww」
思っても居なかったことに驚いていると、楓が隣に座った。
「あ、あのさ、メルアド交換しない?」
「うん。良いよ。」
私達は、お互いメルアドを交換すると、お会計を済まして帰った。
ほんの少し、近づいた気がした。桜には悪いけど、私も楓が好きだ。