「い゛っでぇ…!!…だ いじょう ぶか?夕…」
晶だった。
夕の前に立ちはだかった晶の背に、赤い線が大きく入り、そこからじわじわと赤色が広がっていく。
晶は夕に笑いかけたが、その表情を見て余計に夕が固まった。
「晶あんた…!!何で、何で…!?」
夕は泣きそうな顔で言う。
「お前は…ぐ、ぅう、沢井のオッサン…診てやんなきゃ…いけねーんだろ…!?早く…行って、きやがれ…」
「でも…でも!!」
「早くしねーと手遅れになるだろうが!!俺はいいから!!」
晶の大声に、弾かれたようにして夕は立ち上がった。
「…ごめん、ごめんね晶…すぐ戻ってくるから…!!」
夕は走り去っていった。
圭がそれを追いかけようとする。
「柊!!」
「!」
水鶴の声に反応し、圭は動きを止めた。
「もういい…晶も仕留めなくていい。殺す気が失せてきた…」