タッタッタッタッ…
バターン!!!
「ごめん!!フウリ、起きて!!」
「ふぇ!?ロア!?」
突然の出来事にフウリは飛び起きた。
「フウリ、ラウト知らない!?どこにもいないの!」
「ラウト?ん〜……あっ!そういえば昨日の夜中見たよ。」
「何!!ラウトがいたのか!?」
ダダダダッとカイルとギアンが飛び込んで来た。
「うん…夜中に甲板を歩いてた。町の方行ったと思うんだけど…私も探すの手伝うね」
フウリは立ち上がると手を前につきだした。
黒い空間が広がる。
「暮雪(くれゆき)!!」
シュッと音がして少女が飛び出して来た。
薄紫の着物にふさふさと長い雪のように真っ白い髪。二本の角がちょこんと頭に生えている。
年はフウリより少し下と言ったところか。
「姫様、お呼びですか」
「うん、ちょっと力を貸してね。人を探して欲しいの。」
フウリ達はラウトの特徴を説明した。暮雪は黙って頷いた。
「分かりました。長い黒髪を束ねている野生児っぽい方ですね。…では」
暮雪はその場でクルリと回ると、白い鳥に変化して飛んで行った。
「会った事ないのにラウトの事わかるの?」
ロアが心配そうに言った。
「うん、鬼道丸にも話を聞いたと思うし…あと気になることがあるんだけど、ロアが聞いた話って実際の事だよね。」
「話って…あの子供が消えるっていう?本当にあった事よ。被害者の親に聞いたの」
「まさかラウトもそれに巻き込まれたんじゃ…」
カイルが呟いた。
「その可能性もあるな。とにかくその親に話を聞いた方が良さそうだ。」
相変わらず表情をピクリとも動かさずギアンが言った。
「そうだな。よし!!行くぞ皆!!」
「「「おう!!」」」