俺の前には桜色の髪に大きな緑色の目の女の子と身なりがけして綺麗とはいえない男の人が立っていた。それによく見ると男の人の足にもう一人紫色の髪をしたかわいらしいというのが、よく似合う女の子が抱きついていた。
俺は、ママを愛していたし、ママも俺を愛してくれていた。だけど、だけどだ。大人には色々な事情があってだな。
おいっ
ビクッと抱きついている女の子がする。
それは子供のお前ではまだ、わからない。
おいっ、いつまで言い訳を並べているんだ、みっともない。早く会場に向かわないと、ただでさえ遅刻しているのに、まったく、人生と道によく迷う奴だな、お前は。
あのなぁーアリス、前からパパが言っているけど、お前はその口をなおしなさい。それさえなければ、すっごくかわいいのに。まったく、もったいない。
私はかわいいに決まっている。ママの子だからな。しかし、教育はお前のせいだ。つまり、自業自得だ。
えぇーっ。おっお前ぇ だぁかぁらぁ、お前目的を忘れるな。
うっ だってお前が、パパをいじめるから、話が前に…。
もぉーいい。お前、会談の会場はどこだ。
へっ
会談の会場はどこだと聞いている。その耳は飾りか。
俺は不意に話しかけられて、対応できなかった。
こっち。
よしそれでいい。いくぞ。
うぉっなんだ、置いてくなよ。
俺は会場となる部屋まで三人を誘導した。
ありがとな、君。名前は?
サルバ。
おぉーサルバ。
サルか。なるほど、五月蠅いわけだ。
おいっアリス。
入るぞ。
ちょっと待て、アリス。
扉が開き、中にいた皆の視線が男の人に集まる。男の人は気まずそうに笑う。
すみません、遅くなりました。
待ってましたよ、制圧の聖剣 ギュスターブ殿。
この人があの聖剣!