――ガチャッ
去ろうとする水鶴に、先程の銃の男が銃を向けた。
「このまま帰すと思ったか!?」
――パンッ!
男の だみ声とは対称的な、軽い音が響いた。
しかしそこに水鶴はおらず…
「死にたくなければ動く…な」
いつの間にか男の銃は真っ二つに斬られ、首もとには圭の鎌が添えられていた。少々首に当たっている為、少量の血が流れている。
「…ッこの…!!」
「動けば殺す。声を出しても殺す。わかったら黙って目を閉じ…ろ」
圭のドスのきいた声が、静まり返った陣内の人々を震わせる。
「女」
男の視界から消えていた水鶴が、晶の治療に当たる福野の近くに立っており、声をかける。
「な、何…!?」
福野が振り返ると、水鶴は言う。
「治療を続けながら答えろ。晶は助かるか?」
「…えぇ。大事には至らないと思うわ」
「そうか…」
水鶴はわずかばかり目を伏せて言った。