隆「…悪かったな。あいつのせいで…一応兄として礼言うとくわ。ありがとうな」
慶「ううん。たいしたことしてへんし…」
隆「お前にしてはえらい謙虚やな。」
慶「そんなことない。」
隆「ふっ、まあええけど。そういえば、この前あいつらに会ったんやって?」
慶「あいつら?…ああ、ヒロさん達?」
隆「お前のこと褒めてたやろ?」
慶「…うん、まあ」
隆「俺もなんかあいつらがお前のドラム褒めとって嬉しかったわ」
慶「…何で?」
隆「何でやろなあ…なんかさ、ある意味お前のこと、弟みたいに思ってるからかな」
慶「…?」
隆「だって、よく考えたら俺さ、翼らよりお前と付き合い長いやん?ドラム始めた時からずっと知ってるしな。テツ達よりお前とは関わってるつもりやし…ずっと見てきたからかな。なんかお前は俺にとって、弟みたいなもんやわ。といっても、まだ数年の付き合いやけどな」
慶「…俺が褒められて嬉しかったん?」
隆「そうや。お前自身が褒められて嬉しかった」
左肘で頬杖をつき、隆一は微笑んだ
慶「…」
慶太郎はどこか一点を見つめたまま、コーヒーを口に運んだ。