「中村水鶴…どうして晶君を助けたの?」
福野の言葉に、俯き加減の水鶴の頭が上がる。
「助けた?…それは違うな」
「どういうこと…?」
水鶴の言葉に疑問を抱く福野。
「私が晶を殺すからだ。勝手に死なれては困るからな」
水鶴は平然と答える。
「…晶君はアナタなんかに殺されないわ!」
福野が水鶴の冷たい目をしっかりと見据えて言った。
「そう思いたいなら思うがいい。…想像するのは自由だからな」
水鶴は踵を返した。
「柊。もういい」
「承…知」
圭はパッと男を放し、素早く水鶴のもとへ駆け寄った。
水鶴と圭が消えた後…
「畜生!!」
首から些か血を流しながら、男が悔しそうに言った。