9年前の話だ。
水鶴と晶と晴一の三人は、仲がよかった。
「みーつーるーッ!!」
「ミッチー!!」
「はーあーいッ!!」
晶と晴一の呼びかけに、幼い水鶴は元気よく応じた。
この当時、晶と水鶴は6歳。晴一は12歳だった。
「今日は何するのー??」
水鶴がニコニコして尋ねる。すると晴一がニヤリと笑い、肩にかけていたバッグから何かを取り出した。
「何それ何それ!?」
好奇心の強い水鶴と、中身を知らされていなかったであろう晶が、目を輝かせて「それ」について問うた。
「ふっふっふ…驚け!!これはだな、タイムカプセルだ!!」
「タイムカプセル?」
水鶴が復唱する。
晴一は笑って頷いた。
「ここに便箋と封筒がある!!晶!水鶴!10年後の俺たちに手紙書くぞ!!」
「え!?書いたら10年後に届くの!?」
晶が心底 驚いたような表情で晴一を見た。