海賊と鬼使い 19

ホオズキ  2010-04-04投稿
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「この辺りから『闇の者』の気配を感じる!!」
フウリはキョロキョロと辺りを見回しながら言った。
ここは北の森。暮雪の言ったとおり、ここは闇の空間に近いらしい。
ラウトが闇の者の近くにいるのなら、確実に闇の空間に引きずり込まれている。
「ウィル様!!この場所です。」
暮雪が立ち止まって言った。
「ここ?特に変わりない様に見えるわ?」
ロアが首を傾げる。
フウリは暮雪の指示する場所に手をかざしてみた。
「…あった!!」
フウリは手探りで見えない何かを掴むと、皆の方を振り向いた。
「皆!!闇の空間に入るぞ!!」
「わかった!!」
皆が頷くのを確認するとフウリは思い切り何かを引っ張った。
とたんに辺りは闇に包まれ、何も見えなくなった。


「皆、大丈夫?」
暗闇の中、フウリが声をかける。
「俺は大丈夫だ。」
「同じく。」
「私もなんとか…」
「私も大丈夫です」
全員無事の様だ。
暗闇で顔は見えないが、なんとなく気配は感じる事ができる。
「とりあえず、ラウトを探そう…」
カイルが途中で言葉を切ったのは、突然子供の声がしたからだ。
「来た!!」
フウリが呟いた。
しかし、姿は見えず声だけが響きわたる。
『…あなた達、あの子を取り戻しにきたのね。』
「そうだ。早くラウトを返せ。それと、あと二人もだ。」
ウフフ…と笑い声が聞こえる。
『いや。あんな自分勝手な人達の子供なんてどうなろうが関係ないわ。』
言葉が終わると同時に辺りにとてつもない殺気が広がった。
「ヤバい!!皆ふせろ!!」
フウリの声が飛んだ。

キキキキキィィン!!

辺りが静寂に包まれた。






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