水鶴が 泣いている晶の前にしゃがんだ。
――ぽん。
「!!」
晶が顔をあげた。
水鶴が晶の頭の上に手を置いたのだ。
晶は驚いているのか、急に泣き声を出すのをやめて水鶴の目を見ていた。
その水鶴の目は温かみがあり、優しかった。
「晶はバカじゃないよ」
「…!!」
「そうでしょ?」
「…うっせー」
小さい頃から、晶は水鶴の前では強がる癖があった。それに加えて予想しなかったような水鶴の温かい言葉に、すっかり泣き止んだ。
「ね?晴一にぃさん」
ニッコリ笑って、水鶴が晴一の方を見ると、晴一は感心したような表情で言う。
「ミッチー…。毎度毎度すげーなぁ!さすが晶の彼女だぜ!!」
「「彼女じゃない!!」」
晴一の茶化しに、晶と水鶴は顔を赤くして否定するのだった。