かあちゃんらしき人が…僕の方に向かって歩いてきた。
「瑠海?」
「うん。」
その人は、僕を抱きしめようとしたんだ。僕…じっちゃんの後ろに隠れた。
その人は、泣いてたくさんたくさん謝るんだ。
「瑠海…ゴメンね。そうよね。嫌いになられても仕方ないわよね。全部、お母さんが悪いの…」
僕は、謝られてもわからなかった。
だって、覚えているわけでもないし、僕にとっては、知らない人だから。
「じっちゃん…」
「わかった。瑠海…さとばばん家だな」
僕は、走ってさとばばちゃん家にいった。
僕は、さとばばちゃん家に泊まる事にした。
「清海…仕方ない。瑠海にとっては、お前は、知らない人なんじゃよ。
一歳だぞ、一歳だった子が覚えているわけなかろう。
今さら かあちゃんだぞって言われてもなぁー。
瑠海の気持ちを一番に考えてやれ!
母親だと思うなら。
これから、どうすべきか…」
「お父さん。瑠海と暮らしたいの!!」
「お前は、いつも自分の事が先なんじゃ!お前は、あの子瑠海を棄てただけでなく、親も棄てたんじゃ。勝手ばかりいうんじゃないわ。」
僕は、こんな話しをしていた事を後で知った。
僕は、さとばばちゃんに言われて次の日から家に戻った。
じっちゃんと僕とあの人の三人の生活が始まった。
僕とじっちゃんはいつもの生活が…ちょっと違うけど。
「瑠海!米とげぇ」
「は〜い!」
その人は、僕とじっちゃんを見ていた。
じっちゃんの傷も良くなってきた。
ある日僕はショールと遊んでいた。
沖の方では、あのイルカの群れがいた。
ショールみんなのところに行きたいのかな?
「ショール!みんなの所に行きたいのかい?」
「クウィ クウィ!」
ショールは、僕も一緒にっていうように僕を乗せて沖の方に行こうとしたんだ。
とても、ビックリでした
「ショール…僕は、一緒に行けないんだょ」
「クウィ!」
ショールは、ゆっくり…戻った。
それから 近くに仲間がいるのに、僕とだけ遊ぶようになった。
ある日、朝ごはんをたべているときにその人が話しかけた。
「瑠海は、じっちゃん大好きなんだねぇ。」
「うん。大好きさ!」
その人は…。
「お父さん、瑠海。私は、本島に帰ります。」
僕もじっちゃんもびっくりして箸を落としちゃった。
僕は、かあちゃんとは、思えないけど、ちょっとだけ楽しくなってきたから…