そうして月日は流れて気づいたら、毎日1日に1度は『ゆきぃー!!!』って呼ぶ声が響くようになった。
毎日、顔をあわせれば、
「今日の服、変」
「あぁ?!」
「嘘やって。似合ってる」
とか、
「この曲良くない?」
「えー全然。それよりこの歌、良くない?」
「えー趣味悪っ」
とか、そんなやりとりが待っている。
いっつもへこんでばっかのあいつでも、たまに、
「成績下がったあ…」
とか言ってへこむうちを
「大丈夫やって!」
って励ましたりする。
根拠ないくせに
「小さいことで悩むな!ゆき!あはは」
お前が言うな!
「…こうたのくせに。」
「え?」
「何でもないー!」
なんか頼りないし、バカっぽいし、弱そうやし、彼氏にはしたくないタイプ。
でも、あいつのバカっぽさはまわりを元気にすると、私はひそかに思ってる。
そんなある日
「ゆきって、こうた君が好きなん?」
「は?」
まさか。んな訳ないやろ
「だっていっつも励ましてるやん」
「それはあいつが弱っちぃからで…」
「弱い〜?彼、結構頼りになるやん」
あいつが?
「この前も荷物運んでたら手伝ってくれたよー!結構男らしいと思ったもん」