――舞台裏
高まる緊張、近づく時間。9人が手を重ねる
拓「…ええか?聖二と“多分”客席におる慶太郎のために、精一杯の演奏聞かせたるんや!」
翼「あの慶太郎を感動で泣かせたるねん!」
波「聖二のママにも認めてもらおう!!」
聖「…皆のおかげで今、俺はここにおれる。それだけでほんまに嬉しい…だから、悔いの残らんライブにしよう。それから、みっくん、今までありがとう!短い間やったけど…」
三「それ終わってからにしてや汗」
「“ザ・ブルービート”さん、そろそろお願いしまーす」
「「「はいっ!!!!!!!!!」」」
――隆「…いよいよやな…」
真っ暗になったステージを見つめ、隆一が呟く。今日は楽器運搬を手伝ってやるために車で会場に来たのだ。先ほど合流した慶太郎も隣で舞台を見守る
慶「……」
隆「…心配か?」
慶「ううん。全く。…皆なら大丈夫やろ…“多分”」
隆「なんやねん、多分て…自信持って信頼しんてんのか、やっぱ信用しんてへんのかわからんわ。」
慶「皆のことは信頼してるし、心配してへん。でも、いつだって何が起こるかわからんから…」
隆「大丈夫やろ。あいつらは強い。運も心も、絆も…もちろん、お前もな」