続「口笛吹いて」最終章

 2010-04-06投稿
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雄太と栄二君は
その後口を聞くことは
なかったが

卒業前に僕の誘いで
四人で飲んだ


中学を卒業し
もう学校という
コップの中での
権力争いは必要ない

わだかまりなく
四人で楽しく話した

四人でしこたま飲んで
最後は肩を組み
街に繰り出した…



雄太はエース候補として僕と同じ高校に進学したが途中退部しバイク事故で亡くなった…


栄二君は隣県の野球名門校へ進路を選んだが
レギュラーの座はつかめなかったが
キャプテンとして
皆の信頼が厚かったと
僕は大学生になり
伝え聞いた


国田は中学を出てすぐに
反社会勢力の門を叩いた


僕は眼の四度目の手術を終えて
教子と別れたが
一財産を手に入れ
複雑な毎日だった



それぞれが
将来に期待と不安を抱え

無邪気に飲んで
騒いだ
あの日を思うと
今でも涙が出そうになる


コップ(学校)の中の
世界は狭く過酷で
政治さながらの頭脳戦だ

居場所確保の
陣取り合戦は
綿密で無慈悲


人は誰かを
貶めるとにより
優越感を必要とする
変態なのが本質


本質を認めながらも
カッコ良さに縛られずに
いくら策士になっても
居場所確保は大事だ

あれから30年…
今でもそう思う


そして二度と戻らない
あの日を懐かしく思う


☆愛読ありがとうございました

…合唱…



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